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昨年9月11日の記事の続きです。1年3カ月以上空いてしまいました。

 平中が気のきいた恋歌のやりとりをした挙句、深い仲になった女がいた。差し支えがあって4、5日ご無沙汰したので逢いたくなって、月の美しい夜、馬で女の家を訪れ、庭を覗くと植込みの繁みの中に女房たちが4、5人たたずんでいた。近づくと女たちはざわざわと縁側に上がってしまった。仕方なく平中が茂みの中にじっとしていると、女房が一人やってきた。自分を迎えに来たのだろうと待っていると、女はススキの生い茂った所へ行ってしばらく帰ってこない。不審に思って忍び寄ってみると、なんと坊主が一人隠れていたので、さては別口があったのだと分かった。自分より先口か後口かわからないが、ここで騒ぎたててこんな浮気な女につまみ食いされていたと噂が立つのは嫌だと自分のことは棚に上げて怒って

 穂にでても風にさはぐか花薄(すすき)いづれのかたになびきはてむと
 <人目につくほど穂が伸びたお宅の花ススキは、一体どちらになびこうとしてい風に騒いでいるのですか?>

と皮肉な歌を一首残して、返歌も待たず立ち去り、それきり便りもしなくなった。

 和泉式部の発展ぶりを引き合いに出すまでもなく、一夫多妻は一妻多夫でもあったのだから、平中の愛人が間男したというわけではない。平中は一人息子で両親が溺愛したというお人好しの過保護息子だったので、上流の世間知らずの姫君と違って、あけすけで下情に通じた宮仕えの女房族にとっては与しやすい相手だったのである。
当人がプレイボーイぶっているだけに、女たちにいなされたりすかされたりしているところが、ユーモラスで漫画チックである。
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